の形の漸化式の一般項を求める問題です。
基本問題
の一般項をnの式で表しなさい。
解き方
第n+1項と第n項の差がnの式になっているような漸化式です。
このタイプの漸化式は階差数列がnの式になっているわけです。
nの式の和を使って求める事ができます。
解説
の一般項をnの式で表しなさい。
になります。
第n+1項と第n項の差の式が与えられていますので、階差数列がになっています。
数列は階差数列を使っての一般項をと表せました。
詳しくは階差数列の問題の解法をご確認ください。
よってなるnに対して、
これはn=1のときもで成り立ちます。
全ての自然数nに対してになります。
応用問題
の一般項をnの式で表しなさい。
解き方
変形しての形の漸化式にしましょう。
の係数が等しくなるように変形したいですね。
をうまく使っての形を作ります。
にはnの式が、はn+1の式が掛けられるように変形します。
解説
の一般項をnの式で表しなさい。
解き方にもあるように、の係数が等しくなるように変形します。
3が邪魔ですね?
ただ3を掛けたり3で割ったりしても意味がありません。
n,n+1という要素を作ります。
既に3が掛けられているので3がn,n+1回掛けられているような式を作ります。
この発想です。
を掛けてみます。
これではn,n+1が逆転していますね。
次の手は、逆転させる、つまり割ればいい。
で割ります。
3が1つ邪魔なのでもう一回3で割っておきましょう。
後々階差数列を計算する事を踏まえて少し変形しておきます。
と置きたくなりますね?
とすると、
になります。
は初項が1で階差数列がの数列になっています。
よってなるnに対して、
n=1のときなのですべてのnでが成り立ちます。
でしたので、になります。
となります。
なお、この問題はで割って、等比数列と定数項の和になる漸化式として解くこともできます。
終わりに
ここまでは漸化式から数列がどんな数列になるかイメージしやすいと思います。
「次の項と前の項の差の式・・・階差数列か」
と、式を暗記せずに理解できると良いですね。
第n+1項と第n項の差の式を作る事が出来れば、後は和を求める事ができるかどうかです。
和を求めるのが難しい場合は、ほかの形に帰着させると良いかもしれませんね。