の形の漸化式の一般項を求める問題です。
基本問題
の一般項をnの式で表しなさい。
解き方
第n+1項が第n項にある定数を足していくような漸化式です。
一定の値ずつ増えていくわけですから、このタイプの漸化式は等差数列になります。
解説
の一般項をnの式で表しなさい。
初項が1、公差が5の等差数列になりますね。
つまりになります。
応用問題
の一般項をnの式で表しなさい。
解き方
「おいおい、前々形違うじゃないか?」
と思われるかもしれませんが、変形することでの形の漸化式になります。
これが漸化式の問題の難しくもあり、面白くもある要素です。
解説
の一般項をnの式で表しなさい。
この式、分数になっているのが難しくしている要素です。
分数を消すために、両辺にを掛ける手があります。
しかし、という項が出てきます。
これはこれで解きにくい。
他に分数を消す方法が無いか?
よくよく見るとさらに難しくしているのは、分母がと和になっている点です。
分母の和を取り払うためには、逆数をとるという手法があります。
逆数をとる際に1点注意しなければならないのは、0で除算してはいけないという点です。
式を変形する際はこれだけは忘れないでくださいね。
ですがとなるnがあると仮定します。
ですから分子のも0となり、すべてのが0となり矛盾します。
よって、全ての自然数nに対しになります。
逆数をとってみます。
これはとしたくなりますね?
とすると、
ですから、
となりは初項が1、公差がの等差数列になります。
また、はになります。
としたので、になります。
従って、一般項はになります。
終わりに
漸化式から数列がどんな数列になるかイメージするために良い問題です。
「次の項は前の項に一定の値を足す・・・等差数列か」
と、式を暗記せずに理解できると良いですね。
応用問題は問題を見た瞬間に「等差数列の形にできる」と気付くのは難しいでしょう。
実際は等差数列では無いですからね。
知っている漸化式に変形するためにはどうしたらいいかを思いつけるようになりましょう。