数学的帰納法を使って証明する問題です。
基本問題
を数学的帰納法を使って証明しなさい。
解き方
数学的帰納法とは、
- n=1のときに式が成り立つことを示す
- n=kのときに式が成り立つと仮定したとき、n=k+1のときに式が成り立つことを示す
- 1,2より全ての自然数nで式が成り立つ
というのが基本パターンです。
「n=1のときに成り立っていて、n=1が成り立つんだからn=2も成り立つよね。」
「n=2のときに成り立っているんだから、n=3も同じく成り立ち、n=4もn=5もずっと成り立つよね」
という考え方です。
中には、
- n=1,n=2のときに式が成り立つことを示す
- n=k,n=k+1のときに式が成り立つと仮定したとき、n=k+2のときに式が成り立つことを示す
- 1,2より全ての自然数nで式が成り立つ
というパターンもあります。
「n=1,n=2のときに成り立っていて、n=1,n=2で成り立つんだからn=3も成り立つよね。」
「n=2,n=3のときに成り立っているんだから、n=4も同じく成り立ち、n=5もn=6もずっと成り立つよね」
連鎖的に次々と成り立つことが言えるような状況を作り出します。
証明の方法です。
①n=1のときに成り立つのかどうかは、与えられた命題をn=1でどうなるか考えます。
n=1でその命題が真であることを言いましょう。
②次にn=kのとき成り立つとすると、何が言えるのかです。
与えられた命題をn=kでどうなるか考えます。
その命題が真であるという仮定をします。
つまりn=kのケースは成り立っているものとして考えます。
③そしてn=k+1のときに成り立つことを言います。
これはn=k+1のときの命題をn=kの情報を使って証明します。
④最後に数学的帰納法により成り立つという事を言います。
具体的な問題を使って証明方法を理解しましょう。
解説
を数学的帰納法を使って証明しなさい。
まずn=1のときに成り立つことを証明します。
次にn=kのときに式が成り立つと仮定したとき、n=k+1のときに式が成り立つことを証明します。
(1)n=1のときに成り立つことを示す
がn=1のときどうなるか?
左辺は、1からnまでの和です。
1から1までの和になりますので
左辺=1
右辺は式にn=1を代入しましょう。
右辺
ですね。
左辺=右辺です。
よって成り立ちます。
(2)n=kのときに式が成り立つと仮定したとき、n=k+1のときに式が成り立つことを示す
がn=kのときどうなるか?
そのままkで置き換えましょう。
です。
kまでの和がで表せるという事は使っていいわけです。
n=k+1のときを考えてみましょう。
左辺
ですね。
右辺
ですね。
左辺を変形して、この右辺の形になればいいわけです。
※右辺を変形して左辺でも良いですが
左辺を変形していきます。
まずが成り立っています。
これを使って、
左辺
式を変形していきます。
=右辺
よってn=kのときに式が成り立つと仮定したとき、n=k+1でも成り立ちます。
(1)(2)より数学的帰納法を用いてすべての自然数nについて与式は成り立つ。
で締めくくりましょう。
終わりに
定期試験などで出題される「数学的帰納法を使って証明しなさい」の問題はサービス問題です。
問題に答えが書いてあるんです。
証明すべきものは、数学的帰納法で証明できるものです。
そしてその証明方法の数学的帰納法を使う事まで書いてあります。
問題が答えを教えてくれている問題です。
数学的帰納法が試験範囲に入っていたらラッキーですね。