等差数列の一般項を求める問題や和を求める問題です。
等差数列のみでは難しい問題はそう作れないので、「数列」というものに慣れれば、怖くありません。
「数列」という概念に慣れないと、わかりにくいかもしれません。
数列に関する知識は数列をご参照ください。
等差数列に関する知識は等差数列をご参照ください。
基本問題
(1)公差が3で初項が-5の等差数列の一般項と初項から第n項までの和を求めよ
(2)第2項が3、第6項が15の等差数列の一般項と初項から第n項までの和を求めよ
解き方
初項と公差がわかれば等差数列の一般項がわかります。
一般項がわかれば初項から第n項までの和を求める事ができます。
私は一般項を出してしまった方がイメージしやすいので、和の公式は初項と末項から求めるタイプを使っています。
解説
(1)公差が3で初項が-5の等差数列の一般項と初項から第n項までの和を求めよ
一般項を即答しましょう。
ですね。
初項から第n項までの和も公式で求めます。
(2)第2項が3、第6項が15の等差数列の一般項と初項から第n項までの和を求めよ
まずは一般項を求めましょう。
第2項が3、第6項が15という事で、4回の公差を足して12増えていますね。
したがって公差はです。
第2項が3なので、初項は公差を1回分引いて0です。
が一般項になります。
もう一つ解法をご紹介します。
一般項はという形をしていますね。
これに第2項と第6項の情報を代入します。
の連立方程式を解くとです。
したがってが一般項になります。
次に和ですが一般項さえ求める事ができれば後は同じですね。
初項から第n項までの和も公式で求めます。
応用問題
(1)公差が3で初項が-5の等差数列の一般項と第10項から第15項までの和を求めよ
(2)のとき、数列に含まれる100以下の数の合計はいくらか
解き方
(1)は和を求める問題ですが、初項からの和ではない問題です。
第n項から第m項までの和は、初項から第m項までの和から、初項から第n-1項までの和を引いて求める事ができます。
(2)は等差数列を複数個対象にしています。
少し難しくなります。
こういう時は共通部分を求める事が多いかもしれません。
解説
(1)公差が3で初項が-5の等差数列の一般項と第10項から第15項までの和を求めよ
基本問題(1)の答えを拝借します。
この式は初項から第n項までの和ですね。
第n項から第m項までの和を(解説のため使っているだけで、こんな書き方しないでくださいね)と書くと、
これは、の第n項から後ろの部分の和ですね。
そこで、第項までの和を引いてしまいましょう。
つまりです。
nではなく、n-1という点に注意しましょう。
問題に戻ります。
拝借した式に代入してみましょう。
よって第10項から第15項までの和は177です。
(2)のとき、数列に含まれる100以下の数の合計はいくらか
数列の問題で即答できない問題は、試行すると良いです。
が同じ値になりました。
のそれぞれに対し100までの和を求める事はできそうですが、共通する値は引いてあげないといけません。
まずこの共通する項について考えてみましょう。
14の次はいくつでしょうか?
3ずつ増える数列と4ずつ増える数列です。
最小公倍数の12増えた値が怪しいですね。
という事で、という数が共通して出てきます。
これは等差数列になっていますね。
をの共通部分とするとその一般項は、です。
のそれぞれに対し100までの和をとします。
数列に含まれる100以下の数の合計は、になります。
を求めるために、を第何項目まで足せばいいか求める必要があります。
となるnの最小は、よりです。
という事で第31項までの和を求めます。
同様にを求めます。
となるnの最小は、よりです。
第24項までの和を求めます。
同様にを求めます。
となるnの最小は、よりです。
第8項までの和を求めます。
よって、に代入して、
答えは2443です。
終わりに
等差数列、等比数列、階差数列は、漸化式への準備になると思っても良いと思います。
漸化式の考えを必要とする問題の方が難易度も高い傾向にあります。
センター試験や二次試験等の定期試験より上の水準の試験では、差をつける目的もあってか漸化式の考えが必要となる機会が多くあるでしょう。
等差数列で数列に慣れることができると後が楽になると思います。