数列の和から数列の一般項を求める問題です。
基本問題
(1)等差数列の初項から第項までの和がのとき、一般項を求めよ。
(2)等比数列のの初項から第3項までの和が52、第2項から第4項までの和が156のとき、一般項を求めよ。
(3)等差数列のの初項から第3項までの和が18、第2項から第4項までの和が27のとき、一般項を求めよ。
(4)ある等差数列の3つの数に対し、和が24、積が120のとき、この3つの数を求めよ。
解き方
には、という一面があります。
変形するとです。
がnの式で与えられている場合、これを利用しましょう。
(1)のはこのパターンです。
等もこのパターンになります。
(2)の様に和が二種類わかっていて項数が同じようなとき、和の公式は使わなくても答えが出る場合もあります。
(4)では等差数列の3つの数の関係を使います。
解説
(1)等差数列の初項から第項までの和がのとき、一般項を求めよ。
いきなり和が与えられました。
初項から第項までの和は、初項から第項までの和にを足したものになっています。
これを言葉ではなく式で表すと、
で置き換えて、
という事です。
変形するとなります。
問題に戻ります。
ですから、
(2)等比数列のの初項から第3項までの和が52、第2項から第4項までの和が156のとき、一般項を求めよ。
問題に書いてある事を整理して答えを導く数学の解き方の王道で解いてみましょう。
初項から第3項までの和:
第2項から第4項までの和:
ちょうど公比倍の関係があるんですね。
公比は3です。
初項は4ですね。
従って
ちなみにずれ方が偶数個分ずれているときは公比の偶数乗倍でずれます。
このとき負の数の可能性を忘れないようにしましょう。
(3)等差数列のの初項から第3項までの和が18、第2項から第4項までの和が27のとき、一般項を求めよ。
問題に書いてある事を整理して答えを導く数学の解き方の王道で解いてみましょう。
初項から第3項までの和:
第2項から第4項までの和:
ちょうど公差×項数分の差があるんですね。
この連立方程式を解いて、公差は3、初項は3です。
従って
(4)ある等差数列の3つの数に対し、和が24、積が120のとき、この3つの数を求めよ。
真ん中の数を起点に、公差を引くと前の項、足すと次の項になります。
すると前の項と次の項の和は公差が関係なくなり、積は二乗の差の形になりとても都合が良いです。
具体的に表してみましょう。
等差数列は公差を足すと次の項になります。
前の項に戻るには公差を引けばいいですね。
公差dの等差数列の3つの数は以下の様に表すことができます。
これを用いて、3つの数の和は以下のように表すことができます。
3つの積は以下のように表すことができます。
問題の条件は和が24、積が120です。
この方程式を立てます。
和:・・・①
積:・・・②
これを解けばがわかります。
公差がわかれば前の項と次の項もわかりますね。
①のから、
・・・③
③を②に代入して、
従って、
連続する3つの数は、1,8,15になります。
確かに和と積は24と120になっています。
応用問題
(1)のの間の関係式を求めなさい。
解き方
基本問題で使った
を使います。
問題にはの式がありません。
の式があるのでの式は作れます。
ここにが現れます。
解説
(1)のの間の関係式を求めなさい。
問題のの式からn+1を代入して、
・・・①
数列の一般項と数列の和の式になり立つに問題の式と①を代入して、
の間の関係式が得られました。
多少式の違いがあっても良いでしょう。
なお、漸化式まで学んでいれば、ここから数列の一般項を求めることができます。
これらの問題を扱う際はまだ習っていないかもしれません。
漸化式を習ってから解くことができれば良い問題になりますので、ここでは念のための粗い解説と答えにとどめます。
問題の式にn=1を代入して
ここでですから、で、になります。
次に先程の答えの式を変形していきます。
特性方程式の解は-2ですから
・・・②
と変形できます。
・・・③
とするとです。
②を変形してより、は初項3、公比2の等比数列になります。
よって
③にこれを代入して
式を整理して
これが一般項です。
終わりに
問題としてはそれほど出題頻度も高くなく、難易度も高くはないと思います。
ただし、という性質は理解しておきましょう。
きっと役に立ちます。