山形県公立高等学校入学者選抜学力検査における改善について

山形県の平成31年度入学者選抜情報が少しずつ更新されております。
特に学力検査の改善についてはその内容と対策を知っておいていただくと良いかもしれません。
本来はこのような情報も生徒様にチェック頂きたいと思いつつも、現実的には難しい部分もありますのでわかりやすくご案内したいと思います。
そもそもわかりにくいですし、何をどうしたらいいのかも判断しにくいですからね。
量的には原文をご確認頂くよりも多くなってしまいますが・・・。
なお、私もすべてを記憶しているわけでは無いので定かではない部分もあります。

背景

根本的な背景

これは実際記載されている内容ではなく、私の推測でしかありません。
2020年1月の大学入試センター試験を最後に、2021年1月から大学入学共通テストに変わります。
2018年9月の段階で高校2年生の方が大学入試センター試験を受ける最後の年代になります。
2018年9月の段階で高校1年生の方が大学入学共通テストを受ける最初の年代になります。
大雑把に言えば、知識を問う問題よりも考える力を問う記述形式の問題に比重を置くという変更になります。
今の高校1年生より低学年の方は、考える力に比重が置かれた高校入試・大学入試を受けることになるわけです。
そのため、教育の方針も変化してきており、高校入試の問題も先取りで変化してきています。

直接的な背景

さて、その結果記述式が増えると、ある問題が発生します。
採点者によって、点数のつけ方が変わってしまうという問題です。
これは答える方としても、いまいちどこからどこまで説明すれば良いのか判断に迷うケースもあります。
例えば「夏に太平洋側で雨が多い理由を書きなさい。」という問題に「南高北低の気圧配置だから」という答案はどうでしょうか?
ある人はポイントとなる気圧配置について述べているのだから○としてもらえるかもしれません。
ある人はその気圧配置の結果、太平洋側の湿った空気が南から吹くという説明が無いから×とされるかもしれません。
一方、「気圧配置により太平洋側の湿った空気が南から吹くから」ではどうでしょうか?
ある解答に対し、だれが採点しても同じように評価されなければなりません。
これを改善しようというわけです。

学力検査の改善①

平成29年度版(つまり今の高校2年生)の高校入試の実施要領から以下の出題方針の記載があります。

①中学校学習指導要領に示されている各教科の目標に即し、内容の基本的な事項について出題する。
②解答が偶然性に支配されたり、単なる記憶の検査に偏ったりしないように、理解力、思考力、判断力、表現力などを検査できるように配慮する。
そのため、記述式による出題をできるだけ多くする。
③出題領域は、特定なものに偏ったりしないように、できるだけ広範囲から出題する。

引用元:山形県公立高等学校入学者選抜実施要領

背景に記載のとおり、考える力に比重を置く変更をしていくためと思います。
こちらが以下の様に変更になっています。

①中学校学習指導要領に示されている各教科の目標に即し、内容の基本的な事項について出題する。
②解答が偶然性に支配されたり、単なる記憶の検査に偏ったりしないように、理解力、思考力、判断力、表現力などを検査できるように配慮し、客観式及び記述式を組み合わせて出題する。
③出題領域は、特定なものに偏ったりしないように、できるだけ広範囲から出題する。

引用元:平成31年度山形県公立高等学校入学者選抜学力検査における改善について

これだけでは少しわかりにくいかもしれません。

記述式、客観式及び記述式を組み合わせとは

まず客観式とは、(ア)~(エ)の記号や○×等、答えの決まりきった選択肢のある問題です。
これをどう取り入れるのか、先程の「夏に太平洋側で雨が多い理由を書きなさい。」という問題で解説します。
記述式では「南高北低の気圧配置だから」と書いた場合に判断に迷ってしまいました。
これが「(1)の気圧配置だから、(2)の湿った空気が(3)から吹く。」というような穴埋めの出題になります。
(1)を用語を答える記述形式とすればこれは「南高北低」しかありませんので採点は確実です。
(2)は「(ア)太平洋(イ)日本海」、(3)は「(ア)東(イ)西(ウ)南(エ)北」と選択肢であれば採点は確実です。

学力検査の改善②

もう少し具体的な改善内容も記載されています。

・・・中略・・・
「記述式(まとまった文章等の記述)」の問題数の割合を段階的に削減する。
・・・中略・・・
これまで出題してきた、各教科の選択問題(受検者が複数の問題から選択して解答する問題)は、なしとする。
・・・中略・・・

引用元:平成31年度山形県公立高等学校入学者選抜学力検査における改善について

記述式の削減

これは中略とした中に、二点の詳しい記載があります。
一つは「記述形式は穴埋めの記述形式にし、穴埋めの中には用語を答える問題、選択肢から選ぶ問題とする」という事です。
上で述べたような変更が入るという事ですね。
もう一つは「用語を答える問題は選択肢から選ぶ問題とする」という事です。
用語も選択肢の中から選べる問題が増えるという事ですね。
併せると従来の文章を作成する問題が減り、用語や記号の選択のみになり、より選択問題が増えるという事ですね。

選択問題の削減

選択問題と言うと「次のア~エから選びなさい」を思い出しますよね。
「それが無くなるの?かなり難しくなるんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、これは恐らくそういう意味ではないのかと思います。
山形県の入試問題は何故かどちらの問題に回答するのか選んで解くタイプの問題があります。
例えばこんな問題ですね。

次のA、Bから一つを選び、選んだ設問に対しその理由を簡潔に書きなさい。
A:夏に太平洋側で雨が多い。
B:冬に日本海側で雨が多い。

確かに選んだA,Bによって正答率は多少異なるかもしれませんので、偶発的と言われるのかもしれません。
しかし、応えやすい方を選べる能力というのもあるので、無くさなくてもいいのかとは思いました。

改善への対応

選択問題の削減は余り影響を考えなくてよいでしょう。

用語の重要性が増す

記述式の変更については、用語の重要性が増すという事になります。
用語とその意味を正しく理解していく勉強方法がより重要になるかと思います。
正しい勉強方法で勉強できている生徒様にとっては、それほど意識的に勉強を変えて頂く必要はないかもしれません。

問題が簡単になる

問題は従来よりも簡単になります。
用語を正しく覚えていれば解ける問題が増えますからね。
また、消去法等で解ける問題が増えたり、曖昧に覚えていても解けてしまう問題も増えます。
変な話、記号を埋めれば得点になる可能性があるわけです。
平均点は上がることになるでしょう。

これは平等にそうなりますので、ラッキーとばかり思っていては足元をすくわれます。
記号の問題が増えるという事は、不確定要素が増えることになります。
本来の学力よりも高い点数をとれる人が多く出てくるという事です。
確実に合格する事を目指す方は、ボーダーよりも十分に高い学力を目指すことが求められると思います。

特に上位は団子状態になってしまい、差が付きにくく、ケアレスミスが大きな命とりになりかねないかもしれません。

私の見解

考える力を求められる世の中にあわせて試験形式が見直される事は良い事だと思います。
ワークなどでも考える問題が増えており、良い傾向だと思っていました。
そのため果たして今回の出題方針の改善が、本当の意味での改善なのかと疑問を抱きます。
確かに不平等な事が起こりかねないわけですが、本来あるべき考える力に重点を置く事に逆行しているのではないでしょうか?
出題内容を工夫するなり、採点方法を工夫するなりで対応していただきたかったですね。

終わりに

私のような講師の立場としては、インパクトのある変更です。
具体的には述べませんが、指導方法等も多少なりとも変わってきますからね。
でも、生徒様からしたら、今まで通りの勉強を継続頂くことで基本的には問題ないでしょう。
「簡単になるからラッキー」では問題ですけどね。

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