極限を求める問題全般に言える解法です。
基本問題
(1)次の関数の極限値を求めなさい。
(2)第n項が次の式で表される数列の極限値を求めなさい。
(3)第n項が次の式で表される数列の極限値を求めなさい。
解き方
極限の問題の基本となるポイントは不定形をいかに処理するかです。
- 不定形は因数分解して約分ができないか
- 不定形は分母の最高次数の項で分母分子を割る
- 不定形は無理やりくくって有理数を目指す
これができて次の応用問題にステップアップできます。
解説
(1)
としてみると不定形になります。
「不定形は因数分解して約分ができないか」ですね。
因数定理よりで因数分解できるはずです。
よってに収束します。
(2)
としてみると不定形になります。
「不定形は分母の最高次数の項で分母分子を割る」ですね。
分母の最高次数ので割ります。
よって0に収束します。
(3)
としてみると不定形になります。
「不定形は無理やりくくって有理数を目指す」ですね。
よって収束しません。
応用問題
次の関数の極限値を求めなさい。
解き方
そのままでは求める事が難しい極限ははさみうちの原理が使えないか考えてみましょう。
解説
まずそのままとしても等があり、そのままでは計算できません。
また、不定形としてもというタイプは大きくなるのか小さくなるのかわかりません。
和や差のときは無理やりくくる手法が有効な場合があります。
無理やりくくっていきましょう。
なんとなくこの辺で収束が見えてきていますよね。
せっかくなのではさみうちの原理を使って解いていきましょう。
確実に求めるためには大きくなるのか小さくなるのかわからない状況を回避したいんですね。
乗であれば底が有限の値であれば収束しますよね。
なので、ここでは底となっているに、有限の世界に降りてきていただきます。
ここでをはさみうちします。
の指数関数は右肩下がりです。
であればになります。
を考えるのでと考えて良いでしょう。
になります。
更に1を加えてになります。
のときはと考えて良いでしょう。
を乗すると、底が正のもので正の数の指数をとっているので大小関係はそのままです。
して
はさみうちの原理より
のときはと考えて良いでしょう。
を乗すると、底が正のもので負の数の指数をとっているので大小関係は反転します。
して
はさみうちの原理より
はさみうちの原理を使った結果を用いて極限の計算を進めます。
終わりに
数列の極限、無限級数、関数の極限のそれぞれの定義がわかれば後は計算です。
基本的な方針は基本問題のとおりです。
通用しない場合、はさみうちの原理を使ってみてください。
補足
添削中に別にはさみうちしなくてもいいじゃんって、気が付きました。
あまりいい例でなくてすみません。
言い訳ですが、数式見ていないので中々気付けないんです。
自作の問題をパソコンでタイピングして解きならが記事を書いています。
作成中はこんな感じで数式が見えんとです・・・。