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数列の極限の問題の解法

数列の極限を求める問題です。

基本問題

(1)一般項が\displaystyle a_n=\frac{3n^2+4n}{n^2-2n}の数列の極限を求めなさい。
(2)一般項が\displaystyle a_n=\frac{3n}{\sqrt{n^2+n}-\sqrt{n}}の数列の極限を求めなさい。
(3)一般項が\displaystyle a_n=\sqrt{n^2-3n}-\sqrt{n^2+4n}の数列の極限を求めなさい。
(4)一般項が\displaystyle a_n=\cos{\frac{pi}{2}n}の数列の極限を求めなさい。

解き方

数列の行きつく先を求める事になります。
まず、極限を求める問題はある程度極限に近づけたときにどうなりそうかを考えると計算しやすいと思います。
例えばn^2,n,1があった場合「一番影響力のある項」はn^2ですね。
推測するうえでカギとなるのは、このように一番影響する項に着目すると良いでしょう。

実際計算を進める上では、不定形の対処がポイントになります。

  1. \displaystyle \frac{0}{0}は因数分解して約分ができないか
  2. \displaystyle \frac{\infty}{\infty}は分母の最高次数の項で分母分子を割る
  3. \displaystyle \infty-\inftyは無理やりくくって\infty \times 有理数を目指す

です。

解説

(1)一般項が\displaystyle a_n=\frac{3n^2+4n}{n^2-2n}の数列の極限を求めなさい。
まず分母も分子も2次の多項式です。
nが大きくなれば、どんどん大きくなります。
一番影響力のある最大次数の項は分子で3n^2、分母でn^2ですね。
分子の方が3倍の速さで大きくなります
この時点で「たぶん3になるだろう」と思って解き始めると良いと思います。

\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n=\lim_{n \to \infty}\frac{3n^2+4n}{n^2-2n}
このままでは\displaystyle \frac{\infty}{\infty}となってしまい、極限を計算ができません。
大きすぎるわけですから小さくしましょう。
分母分子を最大次数のn^2で割ることで「ちょうどいい塩梅」になります。
\displaystyle =\lim_{n \to \infty}\frac{3+\frac{4}{n}}{1-\frac{2}{n}}
\displaystyle =\frac{3}{1}=3

(2)一般項が\displaystyle a_n=\frac{3n}{\sqrt{n^2+n}-\sqrt{n}}の数列の極限を求めなさい。
まず分子は1次の多項式です。
分母はn^2がルートになってますので大体1次位で、そこから\displaystyle \frac{1}{2}次の\sqrt{n}を引いたところで、大体1次位です。
nが大きくなれば、分母も分子も1次位の速さでどんどん大きくなります。

一番影響力のある最大次数の項は分子で3n、分母で\sqrt{n^2+n}ですね。
分子の方が大体3倍の速さで大きくなります
この時点で「たぶん3になるだろう」と思って解き始めると良いと思います。

\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n=\lim_{n \to \infty} \frac{3n}{\sqrt{n^2+n}-\sqrt{n}}
このままでは\displaystyle \frac{\infty}{\infty-\infty}となってしまい、極限を計算ができません。
大きすぎるわけですから小さくしましょう。
分母分子を最大次数のnで割ることで「ちょうどいい塩梅」になります。
\displaystyle =\lim_{n \to \infty} \frac{3}{\sqrt{1+\frac{1}{n}}-\sqrt{\frac{1}{n}}}
\displaystyle =\frac{3}{1-0}=3

(3)一般項が\displaystyle a_n=\sqrt{n^2-3n}-\sqrt{n^2+4n}の数列の極限を求めなさい。
まず第1項も第2項も大体1次です。
同じくらいのものを足し引きしています。
同じくらいのものを足し引きしているので収束するかもしれないと思って進めると良いと思います。

\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n=\sqrt{n^2-3n}-\sqrt{n^2+4n}
このままでは\displaystyle \infty-\inftyとなってしまい、極限を計算ができません。
値を小さくしたいのですが、分母分子を割るような操作はできないですね。
\sqrt{n^2-3n},\sqrt{n^2+4n}n^2は分母分子に\sqrt{n^2-3n}+\sqrt{n^2+4n}を掛けることで消すことができますね。
しかも極限の場合、分数の方が分母分子を割れて都合が良かったりします。

\displaystyle =\lim_{n \to \infty} a_n=\lim_{n \to \infty} (\sqrt{n^2-3n}-\sqrt{n^2+4n})\frac{\sqrt{n^2-3n}+\sqrt{n^2+4n}}{\sqrt{n^2-3n}+\sqrt{n^2+4n}}
\displaystyle =\lim_{n \to \infty} \frac{(n^2-3n)-(n^2+4n)}{\sqrt{n^2-3n}+\sqrt{n^2+4n}}
\displaystyle =\lim_{n \to \infty} \frac{-7n}{\sqrt{n^2-3n}+\sqrt{n^2+4n}}
(2)に少し近い形になりました。

ここまでくると大体想像がつくかもしれません。
分子は-7n、分母は2\sqrt{n^2}位で\frac{-7}{2}になりそうです。
分母分子を最大次数のnで割ることで「ちょうどいい塩梅」にしましょう。

\displaystyle =\lim_{n \to \infty} \frac{-7}{\sqrt{1-\frac{3}{n}}+\sqrt{1+\frac{4}{n}}}
\displaystyle =\frac{-7}{1+1}=\frac{-7}{2}

(4)一般項が\displaystyle a_n=\cos{\frac{pi}{2}n}の数列の極限を求めなさい。
これは極端に大きくなったり小さくなったりしないですね。
0,-1,0,1,0,-1,0,1,...
と-1から1の間を繰り返します。
よって振動することになり、極限は無いですね。

応用問題

(1)一般項が\displaystyle a_n=\frac{\sin{\frac{\pi}{2}n}}{n}の数列の極限を求めなさい。
(2)一般項が\displaystyle a_n=\frac{1}{n^2}-\frac{1}{(n+1)^2}+...+\frac{(-1)^{n-1}}{(2n-1)^2}+\frac{(-1)^{n}}{(2n)^2}の数列の極限を求めなさい。

解き方

極限の解法と言えば「はさみうちの原理」です。
求めたい数列\{a_n\}に対して、極限がわかっている数列\{b_n\}と数列\{c_n\}を作り、c_n\leq a_n\leq b_nなる関係を作ります。
これで数列\{a_n\}の極限は数列\{b_n\}の極限と数列\{c_n\}の極限の間にあることがわかります。
数列\{b_n\}の極限と数列\{c_n\}の極限がともに同じ値であれば、\{a_n\}の極限もその値になりますね。

解説

(1)一般項が\displaystyle a_n=\frac{\sin{\frac{\pi}{2}n}}{n}の数列の極限を求めなさい。
まず極限をとる数列についてみていきます。
2つの要素で構成されています。
\displaystyle \sin{\frac{\pi}{2}n},\frac{1}{n}です。

まず\displaystyle \sin{\frac{\pi}{2}n}から見ていきましょう。
これだけで考えると振動しますね。
更にその幅は
\displaystyle -1\leq\sin{\frac{\pi}{2}n}\leq 1・・・①
になっています。

次に\displaystyle \frac{1}{n}です。
これは収束しますね。

収束するものと振動するものが掛け合わされています。
振動するものの幅が今回は1ですから、収束する\displaystyle \frac{1}{n}をとびぬけない間で振動しているわけですね。
これは①の式に\displaystyle \frac{1}{n}を掛けて、
\displaystyle -\frac{1}{n}\leq\frac{\sin{\frac{\pi}{2}n}}{n}\leq \frac{1}{n}・・・②
となることからもわかります。

②の上側を\{b_n\}、下側を\{c_n\}としましょう。
\displaystyle b_n=\frac{1}{n}
\displaystyle c_n=-\frac{1}{n}
すると、c_n\leq a_n\leq b_nなる関係が成り立ちます。

\displaystyle \lim_{n \to \infty}b_n=\lim_{n \to \infty}\frac{1}{n}=0
\displaystyle \lim_{n \to \infty}c_n=\lim_{n \to \infty}-\frac{1}{n}=0
ですから、はさみうちの原理より
\displaystyle a_n=\frac{\sin{\frac{\pi}{2}n}}{n}=0
になります。

(2)一般項が\displaystyle a_n=\frac{1}{n^2}-\frac{1}{(n+1)^2}+...+\frac{(-1)^{n-1}}{(2n-1)^2}+\frac{(-1)^{n}}{(2n)^2}の数列の極限を求めなさい。

+の項を足していくと、絶対値が\displaystyle \frac{1}{n^2}よりも小さい値が\displaystyle \frac{1}{2}n個足されているような形ですね。
-の項を足していくと、やはり絶対値が\displaystyle \frac{1}{n^2}よりも小さい値が\displaystyle \frac{1}{2}n個足されているような形ですね。
これらはおよそ\displaystyle \frac{1}{n^2}\cdot \frac{1}{2}n=\frac{1}{2n}になりそうです。
0に収束しそうですね。

\{a_n\}の正の項だけを足したような数列\{b_n\}と負の項だけを足したような数列
\displaystyle b_n=\frac{1}{n^2}+0+\frac{1}{(n+2)^2}+0+...
\displaystyle c_n=-\frac{1}{(n+1)^2}-0-\frac{1}{(n+3)^2}-0-...
を考えると、c_n\leq a_n \leq b_nになります。

\displaystyle b_n=\frac{1}{n^2}+0+\frac{1}{(n+2)^2}+0+...
に対し、0になっている項含め、全ての項を\displaystyle \frac{1}{n^2}で置換したような
\displaystyle b'_n=\sum_{k=1}^n \frac{1}{n^2}
とすると、0\leq b_n \leq b'_nになります。
\displaystyle \lim_{n \to \infty} b'_n=\lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^n \frac{1}{n^2}
\displaystyle =\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n^2} \sum_{k=1}^n 1
\displaystyle =\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n^2} \cdot n
\displaystyle =\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n}
\displaystyle =0
はさみうちの原理より、数列\{b_n\}の極限は0になります。

同様に\displaystyle c_n=-\frac{1}{(n+1)^2}-0-\frac{1}{(n+3)^2}-0-...
に対し、0になっている項含め、全ての項を\displaystyle -\frac{1}{n^2}で置換したような
\displaystyle c'_n=\sum_{k=1}^n -\frac{1}{n^2}
とすると、c'_n \leq c_n \leq 0 になります。
\displaystyle \lim_{n \to \infty} c'_n=\lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^n -\frac{1}{n^2}
\displaystyle =\lim_{n \to \infty} -\frac{1}{n^2} \sum_{k=1}^n 1
\displaystyle =\lim_{n \to \infty} -\frac{1}{n^2} \cdot n
\displaystyle =\lim_{n \to \infty} -\frac{1}{n}
\displaystyle =0
はさみうちの原理より、数列\{c_n\}の極限は0になります。

c_n\leq a_n \leq b_nでしたから、はさみうちの原理より数列\{a_n\}の極限は0になります。

終わりに

数列の極限は数列の一般項に代入したりすることで比較的想像しやすい極限です。
数列の極限で極限の計算に慣れていけると良いと思います。

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