倍数の集合の個数に関する問題です。
基本問題
(1)100以下の自然数のうち、「4かつ7の倍数」、「4または7の倍数」、「4と7の少なくとも一方で割り切れない整数」の個数を求めなさい。
(2)100より大きく200以下の自然数のうち、「4かつ7の倍数」、「4または7の倍数」、「4と7の少なくとも一方で割り切れない整数」の個数を求めなさい。
解き方
集合の要素の個数の問題ではを使いましょう。
ベン図を描くとこの公式も明らかでわかりやすいと思います。
と変形もできますね。
補集合の個数場合は、全体集合の個数からを引いても良いですね。
また、ド・モルガンの法則も有効です。
解説
は自然数、は自然数、は自然数、は自然数とします。
(1)100以下の自然数のうち、「4かつ7の倍数」、「4または7の倍数」、「4と7の少なくとも一方で割り切れない整数」の個数を求めなさい。
まず全体集合が100以下の自然数になりますからA,Bの全体集合Uを100以下の自然数とします。
「4かつ7の倍数」の個数
AとBの共通部分の集合の個数になります。
は100以下の28の倍数の個数ですから、より
「4または7の倍数」の個数
AとBの和集合の個数になります。
は100以下の4の倍数の個数ですから、より
は100以下の7の倍数の個数ですから、より
でした。
※最後の足し算引き算の誤りを指摘いただいて、2018/06/03修正しました!ありがとうございました!
「4と7の少なくとも一方で割り切れない整数」の個数
4で割り切れない、もしくは7で割り切れないという事ですから、個数になります。
4と7の最小公倍数の28の倍数の集合Eの補集合が問題の集合になるという事を使ってを求めても良いですが、集合が等しくなることは証明して求めてくださいね。
マーク式で時間が足りない場合は「感覚」で進めることも時には必要ですが、「感覚」で進めてしまうと間違えたり、証明が不足していれば減点されてしまいますから注意しましょう。
今回はEのような集合を使わず、既存の集合だけを使って進めていきたいと思います。
で求める事もできますが、は求めていません。
求めるのが大変そうですね。
ド・モルガンの法則を使って、になります。
もちろん集合が同じわけですから、になります。
これで求める事ができそうですね。
(2)100より大きく200以下の自然数のうち、「4かつ7の倍数」、「4または7の倍数」、「4と7の少なくとも一方で割り切れない整数」の個数を求めなさい。
C,Dの全体集合U’を200以下の自然数としてそれぞれ200以下の個数を求め、(1)で求めた個数を引いてみましょう。
「4かつ7の倍数」の個数
CとDの共有部分の集合の個数からAとBの共通部分の集合の個数を引いたになります。
は200以下の28の倍数の個数ですから、より
「4または7の倍数」の個数
CとDの和集合の個数からAとBの和集合の個数を引いたになります。
は100以下の4の倍数の個数ですから、より
は100以下の7の倍数の個数ですから、より
でした。
「4と7の少なくとも一方で割り切れない整数」の個数
200以下のものから100以下のものを引くのでです。
100以下の計算と同様にド・モルガンの法則を使ってを求めます。
終わりに
公式を覚えなくても、ベン図さえかければ公式は直ぐに出てきますね。
補集合が出てくるケースはド・モルガンを使えると間違いも減って楽もできると思います。