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三角不等式の問題の解法

三角比に与えられた条件から、角\thetaの範囲を求めるタイプの問題です。
ちなみに図をご用意できていませんが、必ず図を描きながらイメージしてください。

基本問題

0^{\circ} \leqq \theta \leqq 180^{\circ}のとき、次の不等式を満たす\thetaを求めなさい。
(1)\displaystyle \sin{\theta} \leq \frac{\sqrt{3}}{2}
(2)\displaystyle \frac{1}{2} \leq \sin{\theta} \leq \frac{1}{\sqrt{2}}
(3)\displaystyle \tan{\theta} < \frac{1}{\sqrt{3}}

解き方

まず等式と思って\thetaを求めます。
等式で区間を区切りましょう。
区切った区間の中で\thetaが不等式を満たすか確認しましょう。

解説

(1)\displaystyle \sin{\theta} \leq \frac{\sqrt{3}}{2}
まずは等式と思って解きましょう。
もし等式の部分の解き方がわからない場合、三角方程式の問題の解法をご参照ください。

等式を満たす\theta60^{\circ},120^{\circ}ですね。
ではこの\thetaで与えられている区間を区切ります。
0^{\circ} \leqq \theta \leqq 180^{\circ}
0^{\circ} \leqq \theta < 60^{\circ},60^{\circ} < \theta < 120^{\circ},120^{\circ} < \theta \leqq 180^{\circ}
ここで60^{\circ},120^{\circ}を区間から除いていますが、等号を満たしているので、忘れずに解に含めるようにしてくださいね。

\sin{\theta}\thetaの変化に対し少しずつ値が変化していきます。
60^{\circ},120^{\circ}\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}を「跨ぐ」わけですが、それ以外では跨がないわけですから、大きくなっているか小さくなっているかのいずれかですね。
つまり今作った3つの区間は\displaystyle \sin{\theta} \leq \frac{\sqrt{3}}{2}\displaystyle \sin{\theta} \geq \frac{\sqrt{3}}{2}のいずれかになっています。
どの区間が条件に適合するか調べます。

この区間の中から「代表値」を選びましょう。
代表値を使って確認をするので、三角比がわかる0^{\circ},30^{\circ},45^{\circ},60^{\circ},90^{\circ},120^{\circ},135^{\circ},150^{\circ},180^{\circ}から選びます。
※選べない場合は(2)で解説します。
0^{\circ} \leqq \theta < 60^{\circ}0^{\circ}60^{\circ} < \theta < 120^{\circ}90^{\circ}120^{\circ} < \theta \leqq 180^{\circ}180^{\circ}、にしましょうか。
できるだけわかりやすい値を使った方が間違いにくくなります
それぞれの代表値に対応する\displaystyle \sin{\theta}の値は、
\displaystyle \sin{0^{\circ}}=0 < \frac{\sqrt{3}}{2}なので0^{\circ}を含む0^{\circ} \leqq \theta < 60^{\circ}は問題の解答に相応しい区間です。
\displaystyle \sin{90^{\circ}}=1 > \frac{\sqrt{3}}{2}なので90^{\circ}を含む60^{\circ} \leqq \theta < 120^{\circ}は問題の解答に相応しくない区間です。
\displaystyle \sin{180^{\circ}}=0 < \frac{\sqrt{3}}{2}なので180^{\circ}を含む120^{\circ} \leqq \theta < 180^{\circ}は問題の解答に相応しい区間です。
という事で
0^{\circ} \leqq \theta \leq 60^{\circ},120^{\circ} \leq \theta \leqq 180^{\circ}
が答えになります。

(2)\displaystyle \frac{1}{2} \leq \sin{\theta} \leq \frac{1}{\sqrt{2}}
まずは等式と思って解きましょう。
等式を満たす\theta30^{\circ},45^{\circ},135^{\circ},150^{\circ}ですね。

ではこの\thetaで与えられている区間を区切ります。
0^{\circ} \leqq \theta \leqq 180^{\circ}
0^{\circ} \leqq \theta < 30^{\circ},30^{\circ} < \theta < 45^{\circ},45^{\circ} < \theta < 135^{\circ},135^{\circ} < \theta < 150^{\circ},150^{\circ} < \theta \leqq 180^{\circ}

さて、代表値を選んでいきたいのですが、選べない区間がありますね。
0^{\circ} \leqq \theta < 30^{\circ}0^{\circ}30^{\circ} < \theta < 45^{\circ}は選べない、45^{\circ} < \theta < 135^{\circ}90^{\circ}135^{\circ} < \theta < 150^{\circ}は選べない、150^{\circ} < \theta \leqq 180^{\circ}180^{\circ}、にしましょうか。

さて、選べない区間を見てみましょう。
例えば30^{\circ} < \theta < 45^{\circ}ですね。
この区間で\sin{\theta}\sin{30^{\circ}}から\sin{45^{\circ}}に変化していきます
つまりこの間の値をとりますね?
\displaystyle \sin{30^{\circ}}=\frac{1}{2},\sin{45^{\circ}}=\frac{1}{\sqrt{2}}です。
\displaystyle \frac{1}{2} < \sin{\theta} < \frac{1}{\sqrt{2}}です。
これは問題の条件に当てはまりますので、この区間は解答に含める区間です。

もう1つも同じように考えていきましょう。
135^{\circ} < \theta < 150^{\circ}ですね。
この区間で\sin{\theta}\sin{135^{\circ}}から\sin{150^{\circ}}に変化していきます
この間の値をとります。
\displaystyle \sin{135^{\circ}}=\frac{1}{\sqrt{2}},\sin{150^{\circ}}=\frac{1}{2}です。
\displaystyle \frac{1}{2} < \sin{\theta} < \frac{1}{\sqrt{2}}です。
やはりこれも問題の条件に当てはまりますので、この区間は解答に含める区間です。

残りの区間を見ていきましょう。
0^{\circ} \leqq \theta < 30^{\circ}のときは\sin{0^{\circ}}=0より相応しくありませんね。45^{\circ} < \theta < 135^{\circ}のときは\sin{90^{\circ}}=1より相応しくありません。150^{\circ} < \theta \leqq 180^{\circ}のときは\sin{180^{\circ}}=0でやはり相応しくありません。
従って答えは、30^{\circ} \leq \theta \leq 45^{\circ},135^{\circ} \leq \theta \leq 150^{\circ}になります。

(3)\displaystyle \tan{\theta} < \frac{1}{\sqrt{3}}
\tanのときは気を付けなければならない点があります。
それは、\theta < 90^{\circ}\theta > 90^{\circ}で一度途切れているという点です。

まずは等式を満たす\thetaを求めましょう。
\theta=30^{\circ}ですね。

次に区間を区切ります。
このとき\theta=90^{\circ}でも区切るようにしてください
0^{\circ} \leqq \theta \leqq 180^{\circ}
0^{\circ} \leqq \theta < 30^{\circ},30^{\circ} < \theta < 90^{\circ},90^{\circ} < \theta \leq 180^{\circ}

0^{\circ} \leqq \theta < 30^{\circ}0^{\circ}30^{\circ} < \theta < 90^{\circ}60^{\circ}90^{\circ} < \theta \leq 180^{\circ}180^{\circ}にしましょうか。

0^{\circ} \leqq \theta < 30^{\circ}のときは\tan{0^{\circ}}=0は問題の解答に相応しい区間です。
30^{\circ} < \theta < 90^{\circ}のときは\tan{60^{\circ}}=\sqrt{3}より相応しくありませんね。
90^{\circ} < \theta \leq 180^{\circ}のときは\tan{180^{\circ}}=0は問題の解答に相応しい区間です。
よって、0^{\circ} \leqq \theta < 30^{\circ},90^{\circ} < \theta \leq 180^{\circ}
30^{\circ} ,90^{\circ} が範囲に含まれるかどうかは忘れずに確認してください。

応用問題(混じった三角比)

0^{\circ} \leqq \theta \leqq 180^{\circ}のとき、次の等式を満たす\thetaを求めなさい。
\displaystyle 2\cos^2{\theta} +3\sin{\theta} \leq 3

解き方

三角方程式の問題の解法でも解説しておりますが、いずれかに消えていただきましたね。
邪魔なものに消えて頂くのは数学の解法の王道です。

解説

\displaystyle 2\cos^2{\theta} +3\sin{\theta} \leq 3
三角関係の相互関係を使いましょう。
\cos^2{\theta}+\sin^2{\theta}=1ですね。
\cos^2{\theta}=1-\sin^2{\theta}で置換します。

2\cos^2{\theta} +3\sin{\theta}\leq 3
2(1-\sin^2{\theta}) +3\sin{\theta}\leq 3
2-2\sin^2{\theta} +3\sin{\theta}\leq 3
-2\sin^2{\theta} +3\sin{\theta}-1\leq 0
2\sin^2{\theta} -3\sin{\theta}+1\geq 0
(2\sin{\theta}-1)(\sin{\theta}-1)\geq 0

方程式の場合は2\sin{\theta}-1=0,\sin{\theta}-1=0として解きました。
\theta=30^{\circ},90^{\circ},150^{\circ}となります。
区間を区切って値を代入していくことでも答えが導けそうですね。
しかし、次の二次不等式を使った解き方が一般的です。

二次不等式としてみる

2\sin^2{\theta} -3\sin{\theta}+1\geq 0t=sin{\theta}で置換してみましょう。
2t^2 -3t+1\geq 0
二次不等式の解法の問題になりました。
(2t-1)(t-1)\geq 0
ですから下に凸のグラフが\displaystyle t=1,\frac{1}{2}で二次方程式の解になっています。
これが0以上となるのは、解の外側でしたね。
\displaystyle t\leq \frac{1}{2},t \geq 1となります。

t=sin{\theta}でしたので、\displaystyle sin{\theta} \leq \frac{1}{2},sin{\theta} \geq 1となります。
これを解くと、0 \leq \theta\leq 30^{\circ},\theta= 90^{\circ},150^{\circ} \leq \theta \leq 180となります。

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応用問題(角がずれている)

0^{\circ} \leqq \theta \leqq 180^{\circ}のとき、次の等式を満たす\thetaを求めなさい。
\displaystyle \sin{(\theta+45^{\circ})}\geq \frac{1}{2}
※数学Ⅱで角を一般角として拡張する必要があり、数学Ⅰでは出てこないと思います。
※本当は\piを使いたいんです。

解き方

これも三角方程式の問題の解法で方程式の形で解説しています。
同じように進めていきます。
\thetaがずれているとこれもややこしくなりますので、邪魔なずれに消えていただきましょう
この場合は\theta' = \theta + 45^{\circ}等として置換して考える方法が良いと思います。

解説

\displaystyle \sin{(\theta+45^{\circ})}\geq \frac{1}{2}
\theta'=\theta+45^{\circ}として置換します。
条件となる0^{\circ} \leqq \theta \leqq 180^{\circ}もずれることに注意しましょう。
0^{\circ} \leqq \theta \leqq 180^{\circ}
0^{\circ}+45^{\circ} \leqq \theta +45^{\circ} \leqq 180^{\circ}+45^{\circ}
45^{\circ} \leqq \theta' \leqq 225^{\circ}

三角不等式の方も置換して等号を満たす\theta'を求めます。
\displaystyle \sin{(\theta+45^{\circ})}\geq \frac{1}{2}
\displaystyle \sin{\theta'}\geq \frac{1}{2}
等号を満たす\theta'
\displaystyle \theta'= 30^{\circ} \pm 360^{\circ}\times n,150^{\circ} \pm 360^{\circ}\times n(nは整数)です。

条件となる範囲に当てはまる解は、\displaystyle \theta'=150^{\circ}となり、1つだけです。
この値で区間を区切ります。
45^{\circ} \leqq \theta' \leqq 225^{\circ}
45^{\circ} \leqq \theta' < 150^{\circ},150^{\circ} < \theta' \leqq 225^{\circ}
代表値を決めて確認していきます。
45^{\circ} \leqq \theta' < 150^{\circ}\theta'=90^{\circ}\displaystyle \sin{90^{\circ}}=1となり相応しいですね。
150^{\circ} < \theta' \leqq 225^{\circ}\theta'=180^{\circ}\displaystyle \sin{180^{\circ}}=0となり相応しくありません。

従って45^{\circ} \leq \theta' \leq 150^{\circ}となります。
置換を元に戻して答えましょう。
\displaystyle 45^{\circ} \leq \theta+45^{\circ} \leq 150^{\circ}
\displaystyle 0^{\circ} \leq \theta \leq 105^{\circ}

終わりに

方程式が解けなければ不等式を解くことはできません。
もし不等式に出てくる値が違っている場合は、三角方程式の解き方を再確認してみてください。

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