※ここでは中学数学のを二次関数と書かせて頂きます
二次関数が作る三角形の面積に関する問題です。
基本問題
(1)と
の交点を
とする。
原点をとするとき
の面積を求めなさい。
(2)と
の交点を
とする。
点Sをの
上の点とするとき
の面積を求めなさい。
解き方
問題に書いてある事を整理して答えを導く数学の解き方の王道で解いてみましょう。
解説
(1)の面積を求めなさい。
まず交点をとすると言っていますから、
の座標が知りたいですね?
今回は二次関数のグラフと交点の問題の解法の基本問題のままですからその答えを使ってとしましょう。
次に三角形の面積の問題なので、グラフを描いてください。
二次関数と一次関数の切片と傾きがある程度適切であれば、簡単にで良いですよ。
一次関数の切片と傾きは問題文から得られる情報ですね。
切片がで傾きが
です。
後は交点を書き込み、原点と結んで三角形を描きましょう。
ここまでで問題に書いてあることを使ったので、今わかった情報から答えを導いていきます。
さて、この三角形、底辺と高さがわかりません。
三平方の定理や垂直に交わる一次関数の傾きの性質等を使って、底辺と高さを求めるというやり方もあります。
が、大変そうなので別のやり方を考えてみましょう。
面積の求め方と言えば、覆うものから切り取る方法と、区切って足し合わせる方法がありましたね。
まず切り取る方法ですが、座標がわかっているので、覆うものも切り取るものも面積が計算できますね。
覆うものはです。
切り取るものはです。
したがって求める面積はですね。
次に足し合わせる方法ですが、どこで区切って足し合わせたらよいでしょうか?
ヒントはの座標を通ることがわかっているという事です。
という事でこの切片と原点で区切ってみたくなりますね?
すると、底辺をこの線としてみた三角形が二つできますね。
と
です。
は底辺が
高さは
の差ですから
で面積が
は底辺が
高さは
の差ですから
で面積が
したがって求める面積はですね。
どちらが簡単かというと、慣れてしまえば後者です。
切る線は各頂点から対辺に軸に平行な線で切ると求めやすいでしょう。
なお、座標と面積に関するTipsで紹介している、座標から面積を求める公式を使うことでも面積を求める事は可能です。
この問題であれば、ですから、
となります。
ただ、このやり方は、そもそもこの公式を使っていい場合に限ります。
問題の過程を書く必要がある場合にこの公式を習っていなければ、この公式を証明してから使わなければいけないでしょう。
また、このように公式に頼って楽してしまうと、本来の数学の考え方が身に付かず、いずれ理解する事が難しくなりますので注意してください。
見直しで正解の確認をする際に使うと良いと思います。
(2)の面積を求めなさい。
P,Qはでした。
Sはの
上の点なので
ですね。
図に書いて面積をどうやって求めるか考えてみてください。
(1)と同じように三角形を切り取りたいのですが、今回は切片RとSを結んだ線は斜めになってしまって面積を求めるのに使えないですね。
斜めだから使えないのであれば、斜めにならない線を引きしましょう。
Sから軸に平行な直線を引き、一次関数との交点をR’とします。
R’は一次関数の式にSの座標である
を代入することで求めることができます。
一次関数の式の求め方は二次関数のグラフと交点の問題の解法をご参照ください。
P,Qはでしたので
です。
を代入して
R’はです。
(1)のとおり、区切って面積を足し合わせる方が簡単です。
底辺をとしてみた三角形2つとして足し合わせます。
と
です。
は底辺が
の差ですから
高さは
の差ですから
で面積が
は底辺が
高さは
の差ですから
で面積が
したがって求める面積はですね。
応用問題
と
の交点を
とし、
軸と
の交点をR、原点を
とする。
OQ上の点Sが作るの面積が
の面積の半分となるときのSの座標を求めなさい。
ただしSはOとQの間にあるものとする。
解き方
まずの面積を求めましょう。
の面積は基本問題(2)のような解き方で求める事ができそうです。
あるいは、の面積は
から四角形
を引いた面積として計算することもできます。
四角形が
の面積の半分になっていれば、
の面積も
の面積の半分になりますね。
四角形RPOSの面積をSの座標を使って表し、Sの点を求めていきます。
解説
OQ上の点Sが作るの面積が
の面積の半分となるときのSの座標を求めなさい。
の面積は基本問題の(1)で求めました。
3です。
の面積が
となれば良いですね。
SはOQ上の点なのでOQを求めておきましょう。
を通るので傾き2、切片0で
です。
Sから軸に平行な直線を引き、PQとの交点をR’とします。
必ず図を書いてこれからどこを求めていくのか確認しておきましょう。
まずの面積を求めていく考え方で進めてみましょう。
の面積と
の面積を足せばいいですね。
Sの座標を
とします。
SはOQ上の点なのでを満たします。
これにを代入し、
です。
R’はPQ上の点なのでを満たします。
これにを代入し、
です。
SはOQの間の点のためR’の座標はSの
座標よりも大きくなります。
従ってSR’の長さはです。
の底辺をSR’とすると高さはQとSの
座標の差で
になります。
面積はになります。
の底辺をSR’とすると高さはSとRの
座標の差で
になります。
面積はになります。
従って面積はそれぞれを足して、
ですね。
これがとなる方程式を作って解ければ答えですね。
よって、Sの座標はになります。
四角形POSRの面積を求める方法も考えてみましょう。
SはOQの間の点です。
四角形POSRはと
の三角形で作られます。
の底辺をROとすると底辺はRとOの
座標の差で
になります。
高さはOとPの座標の差で
になります。
面積はになります。
の底辺をROとすると底辺は2でした。
高さはSがOQの間の点のためSとOの座標の差で
になります。
面積はになります。
従って四角形POSR面積はそれぞれを足して、
ですね。
これがとなる方程式を作って解ければ答えですね。
よって、Sの座標はになります。
終わりに
二次関数のグラフと三角形の面積を求める問題は「関数と図形を結び付ける」という難しく感じる分野になるかもしれません。
しかし、せいぜい面積を求める問題になりますので、交点の座標を求める事ができるかどうかが基本となります。