平行線の線分比の性質を使った問題です。
基本問題
(2)次の四角形ABCDが平行四辺形のときおよび
をもっとも簡単な整数比で求めなさい。
解き方
平行線が作る2つの三角形は相似になります。
※相似の問題の解法の応用問題をご参照ください
相似から線分比を使って求めます。
(1)の図形は度々定期試験等で出題されます。
二つの相似の図形に共通する線分の長さを求めるため、文字を使う必要があるため、図形と文字を紐づける良い問題になっているからです。
参考まで公式をご紹介しますが、一般的では無いのでこれをそのまま書くと減点されると思います。
また、もちろん図形によって記号はずれますのでそのまま覚えても意味がありません。
共通する線分は外側の線分の積を和で割った値になるという形なので、覚えやすいとは思います。
なお、答えだけ書く問題なら時間が無いときは使っても良いと思います。
公式ばかり使うと解き方がわからなくなりがちなので、見直しに使えると良いと思います。
解説
(1)EFの長さを求めなさい。
平行線が作る2つの三角形は相似になるので、
∽
・・・①
∽
・・・②
になります。
として方程式を作り、解いていきます。
①よりとなるので、
・・・③
となります。
同様に②よりとなるので、
・・・④
となります。
③④よりとなるので、
・・・⑤
⑤を④に代入して、
よってEFの長さはになります。
ちなみに公式で求めると、
と計算するだけですが、考え方を身に付けるためにも、演習問題では使わず、見直しに使う程度が良いです。
(2)次の四角形ABCDが平行四辺形のときおよび
をもっとも簡単な整数比で求めなさい。
平行線が作る2つの三角形は相似になるので、
∽
・・・①
∽
・・・②
になります。
それぞれの相似比を求めます。
なので、
・・・③
・・・④
になります。
それぞれ対応する線分比がわかります。
・・・⑤
・・・⑥
対角線が中点で交わる平行四辺形の性質より、
・・・⑦
・・・⑧
しかし、FとGの位置がわからず、比がわかりません。
線分比が計算しやすいように比を調整しましょう。
線分が2種類の線分の比で表されているときは、まず数字を揃えます。
・・・⑤
足して4です。
・・・⑦
足して2です。
⑦を倍します。
・・・⑦
これで数字が揃いました。
数字(全体の長さ)が揃っていないと足し算、引き算はできませんので注意してくださいね。
になります。
も同じ要領で求めます。
・・・⑥
足して5です。
・・・⑧
足して2です。
分数は使いたくないので、最小公倍数の10になるよう、二つの比の式を調整します。
・・・⑥
・・・⑧
ですね。
するとがわかります。
になります。
終わりに
相似であることが当たり前のように使われます。
図形を見てどことどこが相似になりそうかわかるようになると良いですね。
また、線分の比が2種類で表されているときの解法も良く使われます。
比を合わせれば足し引きができるので、焦らず解いてくださいね。