三角比に与えられた条件から、角の範囲を求めるタイプの問題です。
ちなみに図をご用意できていませんが、必ず図を描きながらイメージしてください。
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基本問題
のとき、次の不等式を満たすを求めなさい。
解き方
まず等式と思ってを求めます。
等式で区間を区切りましょう。
区切った区間の中でが不等式を満たすか確認しましょう。
解説
まずは等式と思って解きましょう。
もし等式の部分の解き方がわからない場合、三角方程式の問題の解法をご参照ください。
等式を満たすはですね。
ではこので与えられている区間を区切ります。
ここでを区間から除いていますが、等号を満たしているので、忘れずに解に含めるようにしてくださいね。
はの変化に対し少しずつ値が変化していきます。
でを「跨ぐ」わけですが、それ以外では跨がないわけですから、大きくなっているか小さくなっているかのいずれかですね。
つまり今作った3つの区間はかのいずれかになっています。
どの区間が条件に適合するか調べます。
この区間の中から「代表値」を選びましょう。
代表値を使って確認をするので、三角比がわかるから選びます。
※選べない場合は(2)で解説します。
は、は、は、にしましょうか。
できるだけわかりやすい値を使った方が間違いにくくなります。
それぞれの代表値に対応するの値は、
なのでを含むは問題の解答に相応しい区間です。
なのでを含むは問題の解答に相応しくない区間です。
なのでを含むは問題の解答に相応しい区間です。
という事で
が答えになります。
まずは等式と思って解きましょう。
等式を満たすはですね。
ではこので与えられている区間を区切ります。
さて、代表値を選んでいきたいのですが、選べない区間がありますね。
は、は選べない、は、は選べない、は、にしましょうか。
さて、選べない区間を見てみましょう。
例えばですね。
この区間ではからに変化していきます。
つまりこの間の値をとりますね?
です。
です。
これは問題の条件に当てはまりますので、この区間は解答に含める区間です。
もう1つも同じように考えていきましょう。
ですね。
この区間ではからに変化していきます。
この間の値をとります。
です。
です。
やはりこれも問題の条件に当てはまりますので、この区間は解答に含める区間です。
残りの区間を見ていきましょう。
のときはより相応しくありませんね。のときはより相応しくありません。のときはでやはり相応しくありません。
従って答えは、になります。
のときは気を付けなければならない点があります。
それは、とで一度途切れているという点です。
まずは等式を満たすを求めましょう。
ですね。
次に区間を区切ります。
このときでも区切るようにしてください。
は、は、はにしましょうか。
のときはは問題の解答に相応しい区間です。
のときはより相応しくありませんね。
のときはは問題の解答に相応しい区間です。
よって、
が範囲に含まれるかどうかは忘れずに確認してください。
応用問題(混じった三角比)
のとき、次の等式を満たすを求めなさい。
解き方
三角方程式の問題の解法でも解説しておりますが、いずれかに消えていただきましたね。
邪魔なものに消えて頂くのは数学の解法の王道です。
解説
三角関係の相互関係を使いましょう。
ですね。
で置換します。
方程式の場合はとして解きました。
となります。
区間を区切って値を代入していくことでも答えが導けそうですね。
しかし、次の二次不等式を使った解き方が一般的です。
二次不等式としてみる
をで置換してみましょう。
二次不等式の解法の問題になりました。
ですから下に凸のグラフがで二次方程式の解になっています。
これが0以上となるのは、解の外側でしたね。
となります。
でしたので、となります。
これを解くと、となります。
応用問題(角がずれている)
のとき、次の等式を満たすを求めなさい。
※数学Ⅱで角を一般角として拡張する必要があり、数学Ⅰでは出てこないと思います。
※本当はを使いたいんです。
解き方
これも三角方程式の問題の解法で方程式の形で解説しています。
同じように進めていきます。
がずれているとこれもややこしくなりますので、邪魔なずれに消えていただきましょう。
この場合は等として置換して考える方法が良いと思います。
解説
として置換します。
条件となるもずれることに注意しましょう。
三角不等式の方も置換して等号を満たすを求めます。
等号を満たすは
(は整数)です。
条件となる範囲に当てはまる解は、となり、1つだけです。
この値で区間を区切ります。
代表値を決めて確認していきます。
はでとなり相応しいですね。
はでとなり相応しくありません。
従ってとなります。
置換を元に戻して答えましょう。
終わりに
方程式が解けなければ不等式を解くことはできません。
もし不等式に出てくる値が違っている場合は、三角方程式の解き方を再確認してみてください。