文章問題で濃度の問題がありますね。
濃度の考え方が分からないと式を立てることができません。
ここでは濃度は食塩水の濃度を扱います。
濃度を知る
まず濃度というものがどんなものなのか理解したほうが良いです。
濃度の単位
「長さ」であれば単位は「m(メートル)」ですね。
ある一定の長さを1mと定め、それをもとに1mが2個分の長さで2mと表しています。
「重さ」であれば「kg(キログラム)」です。
では、濃度の単位はなんでしょうか?
問題文には「・・・濃度3%の食塩水100g・・・」等と書かれていますよね。
このときの濃度の単位は「%(パーセント)」です。
※これはパーセント濃度と言って、「g/g=1」で「単位」とはまた違うんですけどね。
じゃあ「%」って何?って話です。
ちなみに「%」は百分率とも言います。
「%」って目に見えにくいんですよね。
きっとそれが濃度の理解を難しくしている原因かなと思います。
「%」というものは「割合」なんです。
更に詳しく言うと「100個に分けたときの何個分に当たるか」という割合です。
しかし、食塩水の濃度はこれだけではないんですね。
濃度には、更に難しくしている要素があります。
それは「水」と「食塩」が混ざって「食塩水」になっているという点ですね。
まずは「割合なんだ」というところまで理解しましょう。
濃度の定義
これは言葉の定義なのでまずは「そういうものか」と思って頂くしかないのですが、
「食塩水」の中にどれくらいの割合で「食塩」が含まれているのか
※本来「溶液」の中にどれくらいの割合で「溶媒」が含まれているのかですが、今回食塩水に限定しています。
を表す言葉が「濃度」になります。
食塩水を100個に分けてもどれも同じ濃度の食塩水なので困ってしまいます。
更に、注意すべき点は、
「食塩水」の中の「水」と「食塩」の比
では無い点です。
ちなみに定義の式は、水をw(g)、食塩をs(g)、食塩水をx(g)とすると、
濃度==
です。
濃度の意義
では何故こんなもの作ったのか?
単位というものが生まれた理由の1つは他人と共通の認識を持つためと言えるでしょう。
「長さ」も「重さ」も「速さ」そうです。
「水と食塩を混ぜた食塩水がうまいぞ!」
と言われても、一体どれくらいの割合で混ぜたらおいしいのかわからないですよね。
「水95gと食塩5gを混ぜた食塩水がうまいぞ!」という方法で伝えても良いかもしれません。
でもこれだと毎回飲む量が100gに決まってしまいますね。
※同じ割合で倍にしたりすればそれでいいかもしれませんけど、それは既に濃度の考え方を使っているわけです。
「濃度5%の食塩水がうまいぞ!」と伝えるとどうでしょうか。
100g飲みたいときは95gと5gで作ればいいです。
200g飲みたいときは190gと10gで作ればいいです。
濃度って便利でしょ?
濃度の理解
では、どのように理解しておくと良いか。
濃度3%の食塩水100gであれば食塩の量が3g、水の量が97gです。
100g中に何gの食塩が含まれているかという考え方がわかりやすいと思います。
3%だから100g中3gです。
200gだったら2倍するのだから6gです。
140gだったら1.4倍だから4.2gです。
200g中5gが食塩であれば、100g中2.5gが食塩なので、濃度は2.5%です。
150g中9gが食塩であれば、100g中9÷1.5=6gが食塩なので、濃度は6%です。
何故100gなのか
なんで100gなのかという疑問が湧きますね?
※こういうのは常になんで?っていう疑問を湧かせるといいです
これは、「%」が百分率で100個に分けたときの何個分かという値なので、100倍された値だからです。
1個分が1gという様に対応付けたわけです。
「%」でなくただの割合であれば、3%は100倍する前は0.03だったので、1gあたり0.03gという考えになります。
例
指定の濃度の食塩水を作る
(問)5%の食塩水300gに水を加えて3%にしたいとき、何gの水を加えればよいでしょうか?
まず最初の状況を確認しましょう。
「5%の食塩水300g」
と言っています。
100gあたり5gですから、300gで15gの食塩が含まれていますね。
15gの食塩が含まれていることがわかりました。
「水を加えて3%にしたい」
食塩が15gあって3%にしたいという事ですね。
つまり100gあたり3gにしたいという事です。
15gあるという事は500gになればいいですね。
水を200g加えると500gの食塩水になり、濃度は3%になります。
従って答えは、「200g」になります。
方程式を作って解いてみましょう。
加える水の量をx(g)等としましょう。
濃度は、食塩の質量を食塩水の質量で割って100を掛けた式なので
になります。
食塩水を混ぜる
(問)3%の食塩水200gと4%の食塩水300gを混ぜると何%の食塩水になるでしょうか?
濃度は割合です。
3%+4%=7%という計算をしてはいけません。
3%と4%の間になります。
まず最初の状況を確認しましょう。
「3%の食塩水200g」
と言っています。
100gあたり3gですから、200gで6gの食塩が含まれていますね。
「4%の食塩水300g」
と言っています。
100gあたり4gですから、300gで12gの食塩が含まれていますね。
18gの食塩が含まれていることがわかりました。
合計で500gの食塩水に18gの食塩が含まれているという事ですね。
100gあたり18÷5=3.6gになります。
つまり3.6%という事です。
従って答えは、「3.6%」になります。
終わりに
せっかく方程式が解けるのに、文章題から方程式が作れなくて悔しい思いをしてほしくないと思い少し解説してみました。
お役に立てたらうれしいです。