連立方程式の解を求める問題や解から係数を求める問題です。
基本問題
(1)次の連立方程式を解きなさい
(2)次の連立方程式を解きなさい
(3)次の連立方程式を解きなさい
(4)次の連立方程式の解がのとき、を求めなさい
・・・①
・・・②
解き方
加減法と代入法のいずれかで解きます。
ポイントはいずれかの文字を消すことです。
いずれかの文字が消えれば一次方程式になります。
(4)は問題の情報を素直に使ってください。
解説
(1)次の連立方程式を解きなさい
・・・①
・・・②
①のの係数が1、②のの係数が2なので①を2倍して②を引きます。
に消えていただきます。
①×2-①
を消したので、まずがわかりました。
後は今求めたを①か②に代入しての方程式を解けば答えです。
②に代入してみましょう。
答えはです。
方程式の問題は比較的間違いに気付きやすい問題です。
答えが出たら、元の式に代入して答え合わせをしましょう。
ここでポイントです。
を②の式に代入しましたね?
そうやって求めた場合は、使っていない①の方に代入して確認しましょう。
②を使ってを求めたので、が間違っていても②では気が付けないんです。
代入したときに左辺と右辺が一致しました。
正解と思っていいでしょう。
(2)次の連立方程式を解きなさい
・・・①
・・・②
①がの形をしています。
②がの倍数であるの形をしています。
こういう時は代入法が良いでしょう。
②に①を代入します。
今回もを消したので、まずがわかりました。
後は今求めたを①か②に代入しての方程式を解けば答えでしたね。
①に代入してみましょう。
答えはです。
代入したときに左辺と右辺が一致しましたね。
(3)次の連立方程式を解きなさい
・・・①
・・・②
やや複雑ですが、展開しましょう。
・・・③
・・・④
③④は①②を変形した方程式です。
等式の性質を用いて変形しているので、①②の方程式の解は③④でも方程式の解になっていますね。
連立方程式の解とは、二つの方程式を同時に満たす解です。
①②の連立方程式の解は①②の共通の解になっています。
①②の共通の解は③④でも共通の解になっています。
⑫②の連立方程式の解は、③④の連立方程式の解になります。
さて問題に戻りまして、③④の連立方程式を解きます。
・・・③
・・・④
③の方程式のの係数が3で、④の方程式のの係数が-1なので、④の方程式を3倍して足します。
③+④×3
今回はを消したので、まずがわかりました。
を③か④に代入しての方程式を解きましょう。
④に代入してみましょう。
③に代入するのも良いのですが、①→③の計算で間違っていた可能性があります。
こういう時は少し計算が複雑になるかもしれませんが、①に代入しましょう。
左辺と右辺が一致したので安心です。
(4)次の連立方程式の解がのとき、を求めなさい
・・・①
・・・②
問題に書いてある事を整理して答えを導く数学の解き方の王道で解いてみましょう。
が解になっているそうなので代入します。
・・・③
・・・④
③④はの連立方程式ですね。
解きましょう。
③+④
を③に代入して
が答えです。
この問題であれば、を代入した連立式を解いてになれば良い見直しになりますね。
応用問題
(1)次の連立方程式を解きなさい
(2)長さ不明の貨物列車と、長さ500mの橋Aと長さ1100mの橋Bがあります。
貨物列車が一定の速度でこの橋Aを渡り始めてから渡り終えて走り抜けるまでに、30秒掛かりました。
貨物列車が一定の速度でこの橋Bを橋の上に完全に乗ってから先頭部分が橋の向こう側へ着くまでに、50秒掛かりました。
貨物列車の速さと貨物列車の長さを求めなさい。
解き方
(1)は文字3つに式3つです。
方針は2つのときと変わらず、いずれかの文字を消すことです。
いずれかの文字が消えれば文字2つの方程式になります。
これを2つ作れば基本問題の連立方程式と同じ問題になります。
(2)は文章題です。
求めたいものをと置いて二つの式を作りましょう。
解説
(1)次の連立方程式を解きなさい
・・・①
・・・②
・・・③
まずは1文字消して2つの文字の式2つを目指しましょう。
ありがたいことに②が既に条件を満たしていますね。
あやかって①③でを消しての2文字の式を二つ作ります。
①-③×2
・・・④
あっさりとの2文字の連立方程式が出来上がりました。
・・・②
・・・④
②×5-④×3(せっかくなので③も④も掛け算できるを消すことにしました。)
を③に代入して、とがわかりました。
①に代入しましょうか。
よって、が解になります。
③に代入して確かめると良いですね。
(2)長さ不明の貨物列車と、長さ500mの橋Aと長さ1000mの橋Bがあります。
貨物列車が一定の速度でこの橋Aを渡り始めてから渡り終えて走り抜けるまでに30秒掛かりました。
貨物列車が一定の速度でこの橋Bを橋の上に完全に乗ってから先頭部分が橋の向こう側へ着くまでに50秒掛かりました。
貨物列車の速さと貨物列車の長さを求めなさい。
「貨物列車の速さと貨物列車の長さ」を求めなさい。
という事なので、貨物列車の速さをと貨物列車の長さをとしましょう。
橋Aを渡った時を考えます。
「渡り始めてから渡り終えて走り抜けるまで」を正しく解釈します。
渡り始めるときの図を描きましょう。
渡り始めるときとは、列車の先頭部分と橋の手前側が一致している状態です。
渡り終えて走り抜けるまでの図を描きましょう。
走り抜けるまでとは、列車の最後尾部分と橋の向こう側が一致している状態です。
先頭部分が動いた距離はいくつでしょうか?
(最後尾部分でもいいですが今回は先頭部分で解説します。)
列車の先頭部分が橋の手前側にいる状態からですから、橋の手前側の付け根がスタート地点です。
列車の最後尾部分が橋の向こう側にいる状態からですから、橋の向こう側の付け根から列車分進んだ地点がゴール地点です。
という事で進んだ距離は「橋の長さ+列車の長さ」なのでです。
速さ(m/s)×時間(s)=道のり(m)でした。
これをを使った式で表すと
・・・①
になります。
橋Bを渡った時を考えます。
「橋の上に完全に乗ってから先頭部分が橋の向こう側へ着くまで」を正しく解釈します。
渡り始めるときの図を描きましょう。
橋の上に完全に乗ってからとは、列車の最後尾部分と橋の手前側が一致している状態です。
先頭部分が橋の向こう側へ着くまでの図を描きましょう。
先頭部分が橋の向こう側へ着くまでとは、列車の先頭部分と橋の向こう側が一致している状態です。
列車がまだ丸々橋の上にいる状態です。
先頭部分が動いた距離はいくつでしょうか?
スタート地点は列車の先頭部分は既に列車の長さ分進んでいますね。
橋の手前側の付け根から列車の長さ分進んだ地点がスタート地点です。
列車がまだ丸々橋の上にいる状態ですから、橋の向こう側の付け根と先頭部分が一致した地点がゴール地点です。
列車の長さ分進んだ地点から橋の向こう側の付け根までの長さです。
進んだ距離は「橋の長さ-列車の長さ」になりますね?
つまりです。
橋Bについても速さ(m/s)×時間(s)=道のり(m)をを使った式で表すと
・・・②
になります。
連立方程式を得るまで長い道のりでした。
・・・①
・・・②
②+①
①に代入して
になります。
問題は「貨物列車の速さと貨物列車の長さを求めなさい。」でした。
という事で答えは速さ、長さです。
終わりに
連立方程式は方程式を解くテクニックとしていつまでも出てきます。
代入法も加減法も文字を消すことがポイントになります。
文章題も式さえ作ることができれば解くことは基本問題です。
いかに書いてあることを正しく理解して式に起こせるかになります。
問題の文章をよく読み、図を描いてイメージしましょう。