二次関数の最大値と最小値に関する問題です。
平方完成や頂点と言った二次関数の基本を二次関数のグラフの問題の解法を見て理解していただいてからの方が良いかもしれません。
基本問題
(1)の最大値、最小値があれば求めよ
(2)とので最大値、最小値があれば求めよ
(3)とする。のの最大値、最小値を求めよ
解き方
二次関数の多くの問題は頂点を知るところから始まります。
平方完成して求めます。
の形を、の形に変形する、という事ですね。
最大値と最小値の問題もグラフの概要を描いてイメージしたほうが間違いにくいと思います。
なんでもそうですが、文字や数式だけですと中々頭に入ってきません。
自分の手でグラフを書くことで理解が深くなります。
そのうえで軸、指定された変域があればその両端の値を調べましょう。
最大値や最小値は、軸や変域の両端でとるからです。
変域に文字が入ると変域がグラフの軸を含むかどうか等で複雑になります。
そのような場合は「場合分け」をして問題を簡単にしましょう。
解説
(1)の最大値、最小値があれば求めよ
早速平方完成します。
の係数が正なので、下に凸のグラフですが、変域がありません。
が頂点で最小値をとり、軸から離れる程は大きくなり、変域がありませんので限りなく大きくなっていきます。
つまり、最大値は無いという事ですね。
先のとおり、最小値は頂点でとり、2になります。
代入してみてもとなる訳ですから、2という事を求める事ができます。
(2)とので最大値、最小値があれば求めよ
それぞれ平方完成します。
今回変域が定められています。
変域の両端、軸それぞれ見ていきましょう。
二次関数は変域の両端、軸で最大値や最小値をとるからです。
二次関数は山(谷)が1つしかなく、山頂(谷底)までは増加(減少)し続け、山頂(谷底)からは減少(増加)し続けています。
はじっこか山頂(谷底)で最大値や最小値をとるはずです。
-2 | ・・・ | -1 | ・・・ | 1 | ・・・ | 2 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
-5 | ↙ | 0 | ↙ | 4 | ↘ | 3 | |
4 | ↖ | 3 | ↗ | 7 | ↗ | 12 |
図が無いのを補足するために斜めの矢印は軸を中心にどう変化するか記してみました。
※数学Ⅱまで進んでいる方は数学Ⅱの増減表とは少し違いますので注意してください。
注意したいのは、は変域に含まれていないという点です。
は上に凸で軸がです。
軸で最大値を取り、軸から遠いほど値は小さくなります。
そして左右対称ですから、軸からより遠いほうで値が小さくなります。
変域に軸が含まれていて、の方が遠くなります。
最大値はのときで値は4です。
最小値はのときで値は-5です。
なお、この場合は軸から近いの値は確認不要です。
は下に凸で軸がです。
軸で最大値を取り、軸から遠いほど値は小さくなります。
変域に軸が含まれていて、の方が遠くなります。
は変域に含まれていないので最大値を取りません。
最小値はのときで値は3です。
(3)とする。のの最大値、最小値を求めよ
平方完成します。
軸がです。
また、の係数は正なので、下に凸のグラフです。
変域に文字が含まれています。
とりあえず範囲が狭いところから始めましょう。
その方が簡単ですよね。
つまりが0に近い値のときを考えます。
は軸がなので、からまではどんどん値が小さくなります。
一度このまでの範囲となるで区切りましょう。
のときは軸よりも右側の範囲だけですね?
この変域においてが小さいほど軸に近く、が大きいほど軸から遠くなります。
つまり、ときはで最小値、で最大値を取ります。
のとき、最小値です。
のとき、最大値です。
に範囲を広げてみましょう。
は軸よりも左側の範囲を持つようになります。
なので、は軸よりも左側に行くにつれどんどん大きい値になります。
しかしなのでを変域に含んでいます。
は軸であるから2離れています。
例えばは軸であるから1しか離れていません。
しばらくで最大値を取り続けますね?
また、このとき軸であるがに含まれています。
よってで最小値を取ります。
これがいつまで続くのか?
は軸であるから2離れています。
も軸であるから2離れています。
つまりのときまでこの状態が続きます。
またここまでで区切って考えます。
のとき、最小値です。
のとき、最大値です。
に範囲を広げてみましょう。
ここまで変域を広げるとはよりも軸から遠いまで勢力を拡大することになりました。
軸から最も遠いのはのときですね。
のとき、最小値です。
のとき、最大値です。
応用問題
での最大値と最小値を表しなさい
解き方
二次関数に文字が含まれている場合、最大値と最小値はその文字によって変化します。
最大値と最小値がその文字による関数と見ることができるわけですね。
解説
での最大値と最小値を表しなさい
見るからに長くなりそうですね。
読んでいただきありがとうございます。
まずは平方完成します。
軸がになります。
つまり軸がぶれるわけです。
場合分けして簡単にしましょう。
でした。
まず軸が変域に含まれるかどうかで場合分けしたほうがよさそうです。
軸が外にあるときは割とわかりやすく、これ以上場合分けする必要もなさそうです。
軸が含まれているのときはどうでしょうか?
この状態では軸から遠い点がなのかなのか、決まらないですね。
もっと場合分けが必要になります。
ちなみに、場合分けどこでするかわからない!という場合もありますね。
「何かと何かの真ん中」とか怪しいところで区切るだけ区切って、結果が同じところは後でまたくっつければ問題ないです。
もちろん時間は掛かると思いますし、くっつくことに気が付かずにそのまま答案としてしまうと減点される可能性は多少あります。
でも何も書かずに悩んでいるよりは良いですね。
軸から遠い点がとなる条件を考えてみましょう。
の軸からの距離はです。
の軸からの距離はです。
で良さそうですね。
のときが軸から遠くなり、のときが軸から遠くなります。
ちなみにのときはが軸から等しい距離になりますね。
これでいずれの場合も最大値最小値がはっきり決まりそうですね。
すなわちのとき
軸が変域の左側にありますから
で最小値をとる
で最大値をとる
すなわちのとき
軸で最小値、で最大値をとります。
で最小値をとる
で最大値をとる
すなわちのとき
軸で最小値、で最大値をとります。
で最小値をとる
で最大値をとる
すなわちのとき
軸で最小値、で最大値をとります。
で最小値をとる
で最大値をとる
すなわちのとき
軸が変域の右側にありますから
で最小値をとる
で最大値をとる
終わりに
二次関数の問題なので二次関数のグラフの性質を使います。
後は上に凸か下に凸かを考慮して、軸と変域の両端の値を確認していきましょう。
区間を含むかどうかという点には注意が必要かもしれません。
文字が入って複雑になった時は、計算しやすいように場合分けをしましょう。
二次関数の問題は良い問題が揃っていると思います。