対数関数の不等式の解を求める問題です。
2018/3/13に場合分けについてのリクエストを頂きましたので応用問題としてご紹介しております!
底が文字になっているとき、底によって対数関数のグラフの増減が逆転するので場合分けが必要になりますよね。
高い難易度の問題に取り組まれていて頑張られていますね!
※絶対値等の違うパターンだったらすみません。
基本問題
次の不等式の解を求めなさい。
(1)
(2)
(3)
解き方
まず対数方程式の問題の解法は押さえておきましょう。
真数条件に気を付ける点も同じ。
不等式のポイントとしては、底により単調減少か単調増加かが変わるという点です。
のときであればです。
は単調増加のため、不等号はそのままです。
のときであればです。
は単調減少のため、不等号は逆転します。
あとは対数方程式の解法と同じく両辺をとの不等式の形にして対数を外します。
外すときに上記ポイントを踏まえて不等号を変えたり変えなかったりしてください。
解説
(1)
まずは真数の条件ですね。
これを解いて
後は対数を外すための変形をしましょう。
底が1より大きいのでそのまま対数を外します。
真数条件と共通部分をとってが答えです。
(2)
まずは真数の条件ですね。
これを解いて
後は対数を外すための変形をしましょう。
と思ったら、そのまま外せますね。
ここで底が1より小さいので不等号を反転させる点に気を付けましょう。
真数の条件のと共通部分をとって、が答えです。
(3)
まずは真数の条件ですね。
これを解いて
があるのでで置換します。
は実数全域を定義域としますね。
因数分解できないタイプですね。
解の公式の出番です。
ちなみに下に凸で負になる部分なので解の間が求める範囲ですね。
「???」なときは二次不等式の問題の解法をご参照ください。
後はで戻して対数を外した不等式と真数条件と共通部分をとって答えですね。
真数条件はでしたが2のべきは必ず正なので
が答えです。
応用問題
次の不等式の解を求めなさい。
解き方
底に文字が入っていますね。
底がのときとのときでグラフをイメージしてみてください。
底の値によってのグラフは、
- のときの増加によっては増加し、逆にが増加すればも増加する。即ちならば
- のときの増加によっては減少し、逆にが増加すればは減少する。即ちならば
となり、を外すときに不等号の向きを変えたり変えなかったりする必要があります。
そんな時はやの条件を付ける、すなわち場合分けすることで問題を簡単にすることができますね。
解説
まずは底をそろえるところからです。
が底ですので、、となります。
真数条件を確認しておきます。
それぞれのの中身が正ですから、
これを整理します。
二次不等式の解き方は、二次不等式の問題の解法をご参照ください。
となり、底の条件を満たし、かつこれらの真数条件を満たすは、
です。
不等式の変形を進めていきます。
を外します。
このとき、真数条件等からであるならば、場合分けする必要もなく、を外せますね。
しかし、今回の問題ではという条件です。
底の値によって外し方が変わりますね。
- のとき不等号は変わらない
- のとき不等号は変わる
という事で場合分けをします。
この底の外し方と、真数条件の共通部分をとっていきます。
との共通部分をとると、です。
のとき不等号は変わりません。
との共通部分をとると、です。
のとき不等号は変わります。
このとき不等号は変わりません。
せっかく因数分解しましたが、展開する必要がありそうですね。
※よりなので、で割ったり、共通因数をくくったりしても良いです。
※せっかくなので、一度展開し、高次多項式の因数分解を使ってみたいと思います。
3次式を因数分解して解を求めていきます。
高次多項式の因数分解です。
の係数はそれぞれ6ですから、代入する候補としてはあたりになります。
それぞれ試してみてください。
・・・
分数は通分の計算が入るので計算ミスしやすくなりますのでできれば整数で見つけたいところで、今回は6が行けますね。
※先のとおり、両辺にがありますからね。
という事でを因数に持ちます。
と因数分解できることがわかりました。
右辺の三次関数はでx軸と交わります。
の係数が正の三次関数のグラフは↗↘↗の様になりました。
で正になり、で負になり、で正になるという事です。
今、場合分けの仮定より、ですから、共通部分をとって、
がこの場合分け(i)の解になります。
このとき不等号は変わります。
因数分解は(i)と同様、
と因数分解できます。
三次関数についても(i)同様です。
で正になり、で負になり、で正になります。
今、場合分けの仮定より、ですから、共通部分をとって、
がこの場合分け(ii)の解になります。
(i),(ii)の結果から、
が解になります。
終わりに
対数方程式同様間違えるポイントは真数の条件ですので、真数の条件を忘れないようにしましょう。
両辺をの形を目指して式を変形した後に底が1より小さいときは不等号の向きが変わる点も要注意です。